釣りバカGちゃん釣行記

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釣り馬鹿Gちゃん釣行記 山のこと 3

 

 こんばんは 上の2枚の写真 なんとなく見覚えありませんか?
そう 自販機などにも使われてますね^^「谷川岳の美味しい水」と銘うって


ここは谷川岳一の倉沢といいます。上が初夏 6月の上旬頃かな
下が初冬ですね 11月中旬頃だと思います。ここまでは駐車場からゆっくり歩いても
(舗装道路)1時間程度なので観光客もたくさん来ます。


 さて谷川岳というと世界一の遭難者数で有名ですね。昭和6年に上越線が開通し、
統計を取り始めてからの遭難者(死亡)が800人を超えています。そのうちの600人以上
が谷川岳東面と言われる マチガ沢・一の倉沢・幽の沢で亡くなっています。


 昭和35年この一の倉沢でセンセーショナルな遭難がありました。衝立岩と呼ばれる
ほぼ垂直の約300mの岩壁(2枚目の写真 中段右のほうにある三角形の黒い部分)で
二人の青年が宙吊り状態で見つかったんです。色々な遺体の回収方法が検討されましたが
どれも不可能ということになり、結局 自衛隊の狙撃手が出動 ザイルを狙撃して遺体を
やく200mぐらい下の岩場に落とすということになりました。約2000発の弾丸を使用してザイルの切断に成功 遺体は無事回収されました。この映像は多数残っているので、
ググればすぐ見ることは出来るでしょう。でも遺体が落下してバウンドする様子は正視
に耐えません。


 前置きが長くなりました。Gちゃんは25才ぐらいからの数年間 年間の全休日をこの
一の倉沢周辺で過ごしたことがあります。


 登攀を終えてテントに帰るGちゃん・・(ピンボケでよかった^^)


 オーバーハングを超えるGちゃん 衝立岩正面

 www・・どこだか忘れた ><


 そんなある日 ちょっと怖い? ちょっと哀しい? ちょっと切ない?どれもしっくり
しません。語彙力が貧弱で・・ある出来事がありました。
 その日の登攀を終えてテントに帰ったGちゃん達 雪渓で冷やしたビールで乾杯
後輩二人の「メシ 俺らが作りますから、休んでて下さい。」の言葉に甘え、テントの中に
広げたシュラフの上にゴロリ・・寝ているのか 起きているのかわからないようなGちゃん
の耳に 「スミマセン 衝立てで事故ったんですが 助けて下さい。」との声
 「おぉ 分かった」と返事して外に出ると 怪訝な表情で 「どうしたんですか?」と
後輩二人。 G「今 衝立てで事故ったからって来ただろう どこ行った?」
突然 大爆笑の二人。Gちゃんの寝ぼけで片付けられた。
翌日 短いルートを1本登り、早めに帰る予定だった我々は朝 ゆっくり出発。登っていくと何やら人だかりが・・見上げると宙吊り状態の二人の影 あぁ昨夕の声は君たちだったの
か・・助けてあげられなくてゴメンな と呟きながら火をつけたタバコを線香がわりに手を
合わせる。青くなっている二人に「今日は帰るべ~~」と声を掛け、降り始めたGちゃん
の目に入ってきたのは何張りか張ってある中で一番目立つ我々のテントだった。


 彼らの遺体は 所属山岳会が有力であったため、会員達の手で ウインチを使用して
上にあげられ、へりで遺族のもとに戻った。


 霊とか妖怪だとかは 全く信じないGちゃんですが、この1件で道教・儒教でいうところのに魂魄について考えるようになった。
 安っぽい よくある怪談風に感じるかもしれませんが、実話です。